ローキーな写真に対して憧れがあります。
暗い中でもわずかに階調が残っていて、その美しさに見惚れたり、『はっきりと見えない』からこそ想像力が喚起されて、写真をより味わい深いものとなっているものを好ましく感じます(※少なくとも私が素晴らしいと感じたローキーな写真はほとんど同じ印象を受けました)。 更に私がローキーな写真で凄いと思うのが、『完全に階調のない黒の部分(黒つぶれ)』を意図的に作っているものです。 全て真っ黒な部分にはもしかしたら何らかの情報があったのかもしれませんが、その情報を切り捨て敢えて黒つぶれの状態とすることで、写真としてのメッセージ性を高めつつも、より印象的な作品となっている。 そのような写真に出会ったときは、ただただ純粋に『凄いなぁ…』という感想と溜息しか出てきませんでした。 改めて自分の写真を振り返ってみると、ローキーなものがほとんどありません。 敢えて言うのなら『灯』は近いのかもしれませんが、これも“意図的に黒つぶれとした”部分はありません。元々撮影した場所が暗いところで、結果的にローキーな感じに近くなった、ということになります。 今回の写真は白い薔薇というハイライトもあることから、『ローキーな写真として印象的なものに出来るかも!』と期待して現像したのですが、これはローキーというよりただの“露出アンダーな写真”となってしまいました。 年始より週末のわずかな時間を使って少しずつ手を入れてきたのですが、どうにも上手くまとめることが出来ませんでした。 途中、いろいろな方の素晴らしい作品を見て、自分の写真とのギャップに落ち込んでしまったり、逆にモノクロ写真の素晴らしさに励まされたりもしました。 紆余曲折の中、公私共にトラブルも発生し、体調まで崩してしまったのですが、どうにかこうにか自分の納得する形となったのが今回の写真となります。 SIGMA DP2x/SPP 5.5.3/LR 5.7
by RoyScheider11
| 2017-02-20 10:20
| DP2x
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